【2024年最新版】化学系学生の大学院入試(院試)対策方法について解説!(対策用ノートの無料ダウンロードができます!)

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こんにちは!

今回は特別編として、化学系の大学院入試で、何をすべきなのかというのを、経験者として提案させていただこうと思います。

動画版はこちら↓

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始めに

まず、改めて自己紹介します。

自分は2020年4月に、大阪大学理学部化学科から大阪大学理学研究科高分子科学専攻へ内部進学しました。

2024年4月現在、大学院入試を受けたのは、およそ4年8ヶ月前になります。

大学院入試での受験科目は、物理化学有機化学高分子科学英語(TOEIC)でした。

無機化学や生化学については、これを読んでいる皆さんの方が詳しいかと思います。

 

以下で書かれていることは、あくまで自分の経験をもとにしたものなので、すべての人に当てはまるわけでないことに注意してください。

では、早速内容に入っていきましょう!

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大学入試と大学院入試の違い

具体的な対策の前に、まずは知るところから始めましょう。

大学院入試は大学入試と比べて、次のような特徴があります。

  • 4月入学者の試験は、前年の8月に行われる
  • 倍率が低い
  • ひねった問題が少ない
  • 過去問の模範解答は、基本的にない
  • 口頭試問がある
  • 受験前の研究室見学がほぼ必須【他研究室への配属希望者のみ】

4月入学者の試験は、前年の8月に行われる

大学入試では、1月に一次試験、2月に二次試験というのが一般的な前期日程です。

しかし、大学院入試は春入学と秋入学があって、より多くの人が受験するであろう春入学の試験は、前年度の8月に行われるのが一般的です。

そのため、遅くとも学部4年生の春には試験勉強を開始しないと、到底間に合いません。

さらに、TOEICなど英語の成績表の提出を求められる場合は、それよりも前から勉強しておく必要があります。

倍率(志願者数/合格者数)が低い

一般的に、大学入試の方が倍率が高いです。

例えば、2023年度(令和5年度)入学生について見てみると、東京大学の場合、学部の理科一類が2.56理科二類が4.31であるのに対し、大学院の理学系は1.23と低くなっています。

同様に、東京工業大学の場合でも、大学(理学院)で4.36大学院(理学院)で1.53となっています。

ひねった問題が少ない

大学入試の二次試験では、まったく手が付けられない問題が出されることがよくありますが、大学院入試でそういう問題は多くないように思います。

基本的には、教科書の練習問題に少し毛が生えたようなイメージです。

ただし、限られた人数で作る都合上、作問者のクセが出やすいです。

院試は内部生のほうが有利」としばしばいわれる理由には、これがあります。

入試問題の形式が、講義の試験と似てしまうということがよくあるので、他大生は過去問の形式をよく見ておく必要があります。

過去問の模範解答は、基本的にない

大学院入試の過去問は、研究科のHPで公開されていることが多いですが、そのほとんどには模範解答が付いていません。

そのため、模範解答がない状態で問題演習をすることになります。

他人に模範解答を作らせるという手もあるのですが、自分で教科書やノート、ネットで調べて、解答を作る方が自分の力になると思うので、自分で解答を作るようにしましょう。

大学の図書館には、模範解答付きの問題集が置かれているので、そちらに取り組むのもアリです。

また、YouTubeで僕が実際に解いてみた動画の再生リストを公開しているので、参考にしてください。

口頭試問がある

大学院入試では、記述式の試験を受けた後に、口頭で教授たちの質問に答える試験が科されることが多いです。

質問の内容は、化学に関係するものがほとんどで、たとえば有機化学なら反応機構や反応剤、溶媒など、物理化学なら物理法則の内容、測定原理や測定できない場合の例について聞かれます。

また、自身が研究していることについても聞かれることがあります。

自分の大学の噂では、ボーダーラインにいる受験者を峻別する意味合いが強いといわれていました。

そのため、ボーダー付近にいない人には、そもそも質問の数が少なかったり、答えられなくても簡単に次の質問に移行したりしていました。

受験前の研究室見学がほぼ必須【他研究室への配属希望者のみ】

自身が現在通っている大学とは別の大学の院を受験する場合、あるいは同じ大学内の他研究室へ移籍したい場合、配属を希望する研究室の指導教員に話をつけておくのが常識です。

可能なら学部3年の夏までに、その研究室の教授にメールでアポをとるといいでしょう。

夏休みや春休みのシーズンであれば、学会発表が近くない限り、対応できる学生もいると思うので、迷惑になるなど過度に遠慮する必要はないです。

むしろ、会ったこともない人に配属を希望されるほうが迷惑です。

ただし、どこの研究室でも1~2月は公聴会や修論発表会があるので、教授の都合は合いにくいと思います。

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いちばん大事にしてほしいこと

それでは、院試に向けた対策についてお話ししていきます。

細かいテクニックの話をする前に、まず第一に考えてほしいのは、「進学の目的を明らかにする」ということです。

これから最低2年間という時間と、100万円以上のお金を費やす以上、後悔してほしくありません。

自分は何のために大学院へ進むのかをもう一度よく考えて、モチベーションを高く保ちましょう。

下には、目的の例とそれに対する僕の個人的な考えを載せています。

→ぜひとも、目指してください!

特に、博士は経済的な支援もいろいろあるので、暇なときに調べてみるといいと思います。

→おそらくいちばん多い理由であり、特に大きな問題はないと思います。

→微妙です。

仮に、修士で卒業する場合、入学してから就活が始まるまで、1年間しかありません。

この1年間は、授業と研究に集中することになるので、すぐに過ぎます。

目的をもう少し具体的にした方が良いと思います。

→この理由での進学はお勧めできません。

これまでの話のとおり、大学院に行くことで有利になるのは、研究者か技術職、教師が主であり、いずれも労働者の立場になります。

日本は典型的な年功序列ですから、若いときの給与はさほど高くなりません。

そのため、進学によって生涯賃金を最大化できるのは、少なくとも45歳まで働く前提の話です。

労働者が向いていないと思うならば、起業するという道もあります。

起業するのに大学院の学位は必要ないので、もう一度考えてみることをお勧めします。

→いちばんダメな理由です。

みんながやっていることをやるのが正しいだろうと思ってしまうことは、心理学の言葉で集団同調性バイアスと呼ばれます。

このバイアスによって不合理な選択を無意識にしている可能性があるので、自分自身がどうしたいのかというのを、改めて考えてください。

ここで目的を再確認して、モチベーションにつなげていきましょう!

院試に向けた具体的な対策

では、ここからは細かい対策方法を考えていきます。

僕が考える対策は、以下のとおりです。

  • 面倒な書類手続きはすぐにする
  • 英語の得点にこだわりすぎない
  • 昨年の過去問に目を通す
  • 口頭試問について先輩に聞く
  • 物理化学から始める
  • 教科書の文字をしっかり読む
  • 1位を目指す
  • 履修していない授業の内容は人に聞く
  • 勉強は起きたらすぐ始める
  • 勉強場所は図書館
  • コーヒーを飲む
  • 背筋を伸ばす
  • ポモドーロテクニックを使う
  • 体を動かす
  • 20分程度の昼寝をする
  • 睡眠を大切に

面倒な書類手続きはすぐにする

大学院入試を受験するうえで、当たり前ですが、書類手続きはとても大事です。

願書を出したり、振込したり、いろいろな手続きをしないといけませんが、面倒だからといって後回しにしていると、勉強に集中できなくなります。

面倒なことはさっさと終わらせて、勉強に集中できる態勢を整えましょう

書類が出ていないことで、受験できなかったとならないよう十分に注意してください。

英語の得点にこだわりすぎない

自分の場合、大学院入試の得点開示をしていないので、あくまで憶測になるのですが、英語の配点が化学よりも多くなるとは考えられません

英語にこだわるあまり、化学の勉強がおろそかにならないようにしましょう。

少々極端な言い方になりますが、たとえば直近2年以内のTOEICやTOEFLの成績表を求められた場合、学部3年生時点の点数で見切りをつけても、僕はまったく問題ないと思います。

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昨年の過去問に目を通す

本格的に勉強を始める前に、一度やってほしいのは、昨年の過去問を眺めるということです。

ここでは、実際に問題を解く必要はないので、ひととおり問題の形式を確認してみてください。

具体的には、設問数はどれくらいで、どのくらいのスピードで解いていけば良いのか、計算問題と論述問題、穴埋め問題の割合、現段階でも解けそうな問題はどれくらいあるか、選択科目がある場合はどれを解くかなどを考えてみてください。

口頭試問について先輩に聞く

口頭試問については、過去問が残っているわけではないので、研究室の先輩に聞くのがベストだと思います。

問題の形式、内容について、先輩が覚えている情報を聞き出しましょう。

物理化学から始める

ここから、実際に勉強を始めていきます。

最初は、物理化学から始めることをお勧めします。

物理化学は化学の基本ルール、文法のようなもので、たとえ有機化学の教科書であっても、生成比や反応機構、測定原理などは物理化学の言葉で説明されていて、それが口頭試問でよく問われます。

たとえば、Diels Alder反応の機構は量子化学、分子内Williamsonエーテル合成法の反応速度は熱力学、NMRやIRの原理には量子化学の基本的な考え方が必要になります。

逆に、有機化学がわかっていなくても、物理化学は理解できるので、先にやることをおすすめしています。

有機化学などの暗記系は、本番2ヶ月前でも十分間に合います。

物理化学の書籍については、こちらの記事でおすすめを紹介しています。

【大学の物理化学】おすすめの教科書、参考書、問題集全9選まとめ!!(高校生向けもあります)
大学の図書館の中からおすすめの物理化学の本をピックアップしてみました。書店や図書館に行った際には、ぜひ手に取ってみてください!

教科書の文字をしっかり読む

そして、教科書で勉強するときには、意識してほしいことがあります。

それは、教科書の文字をしっかり読むということです。

教科書を開いたときに、まず目が行くのは絵やグラフです。

その次に目が行くのは、数式でしょう。

これらを見ただけで、つい理解した気になってしまいがちなのですが、このままでは論述問題や口頭試問に太刀打ちできませんし、間違った解釈をしている可能性もあります。

そのため、教科書の文字を丁寧に読むということを、ぜひ意識してみてください。

ノートに自分の言葉でまとめてみるのも、おすすめです。

1位を目指す

次に心構えについてです。

上述のとおり、大学院入試は大学入試に比べてライバルが少ないです。

つまり、1位になる確率がより高いということです。

何より、1位を目指していて、落ちるということはなかなか起こりません

「5割位取れれば、合格できるだろう」などと考える人が、必ずいるからです。

本気で1位を目指していきましょう。

履修していない授業の内容は人に聞く

試験範囲の中には、必修ではない講義の内容が含まれていて、習ってないということもあります。

そういった場合は、友達でも研究室の先輩でも構わないので、人に聞いてみてください。

本を読んだだけでは、授業でどれくらい深く習ったのかを把握できません。

勉強は起きたらすぐ始める

次に、勉強する時間帯についてです。

おすすめは、朝起きてすぐ取り掛かることです。

朝イチの行動が1日を決めると思って、決してスマホやテレビは見ないようにしましょう。

過去問をやる場合は、紙に印刷しましょう。

ネットでの調べ物は、スマホよりはPCの方が、誘惑が少なくておすすめです。

起きてすぐ勉強できるようにするためには、机に教科書等を広げた状態で寝るという方法も有効です。

勉強場所は図書館

家だと集中できないという人は多いでしょう。

図書館なら、静かな環境とたくさんの参考書という恵まれた環境で、集中できると思います。

そして何より、図書館が自習室よりも優れているのは、答え付きの問題集があるということです。

先ほど、起きてすぐ勉強しろとは申しましたが、さすがに図書館で寝るわけにもいかないので、たとえば、朝起きてから2時間は家→そこから外出準備30分→図書館へ出発とった流れを作るといいと思います。

コーヒーを飲む

朝起きて90分後と寝る7時間前を避けて、2~3杯のコーヒーを飲むことで、集中力が上がるといわれています。

僕もコーヒーは嫌いですが、毎日飲むようにしています。

背筋を伸ばす

姿勢は大切です。

姿勢が崩れていたことに気づいたら、背筋を伸ばすことを意識しましょう。

ポモドーロテクニックを使う

25分間集中して、5分間休憩、これを繰り返すというものです。

人間の集中力は長時間持続しないので、こまめに休憩をはさむということです。

YouTube上でも、ポモドーロタイマーという名前で、作業用動画がたくさんありますので、ぜひ活用してみてください。

体を動かす

周りに人がいないときは筋トレ、ポモドーロの休憩中には、背伸びなどのストレッチ、長めの休憩の時には散歩、というように体を動かすことで、リラックス効果や疲労感を感じにくくする効果があります。

散歩は、自然の緑があるところがおすすめです。

ぜひ、取り入れてみてください。

20分程度の昼寝をする

お昼に眠くなる人が多いと思いますが、眠いときには15~20分程度の短い仮眠(パワーナップ)をとるのがおすすめです。

カフェインの効果が現れるのは、摂取してから30分後なので、コーヒーを飲んでから20分仮眠をとることで、さらに頭がすっきりするそうです。

なかなか眠れない人もいるかと思いますが、机に伏せて何もしないというだけでも効果はあるそうなので、ぜひやってみてください。

睡眠を大切に

睡眠にはサイクルがあり、浅いレム睡眠と深いノンレム睡眠を、90分(個人差あり)というサイクルで繰り返します。

レム睡眠から目覚めたほうがすっきりするため、6時間や7時間半、9時間など、90分の整数倍にあたる睡眠時間にするという方法(正当性については諸説あり)があります。

そのためには、寝る時刻を決めておくこともおすすめです。

また、寝る前にブルーライトを浴びることで、睡眠が浅くなるということが報告されているため、夜のスマホは控えてください。

院試対策ノートのダウンロード

ところで先日、部屋を掃除していたら、僕が院試対策で作ったノートが出てきました。

これは、本番直前に見ておきたかった、暗記系とマニアック系の知識をまとめたものです。

このまま捨てるのもなんなので、ここから無料でダウンロードできるようにしておきます。

有機化学

物理化学

高分子科学

物理化学、有機化学、高分子科学の勉強のお役に立てれば幸いです。

ただし、書いてあることが完璧に正しい保証はないので、裏付けをとりながら見ていただければと思います。

この記事を見終わったら

今回の内容は、以上になります。

おそらく今がいちばんモチベーションが高いときなので、今のうちに次のアクションを起こしてください。

  • 今が朝なら、YouTube上で「ポモドーロ」と検索、すぐに勉強を始める。
  • 今が昼なら、20分昼寝をしてから勉強を始める。
  • 今が夜なら、教科書等を勉強机に広げて、早めに寝る。

やる気にならない人も、無理やり始めれば、そのうちやる気になってきます。

それでは、ここまでお付き合いいただき、どうもありがとうございました!

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