【大学の数学】テイラー展開の基本とオイラーの公式について、わかりやすく解説!!

こんにちは!

ばけねこです。

今回のテーマはこれです!

サイエンスでも多用する数学のテクニック、テイラー展開をマスターしよう!

動画はこちら↓

動画で使ったシートはこちら(Taylor series)

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テイラー展開とは


テイラー展開とはこのように任意の関数をべき級数で表したものです。

これをすると何がいいのかというと、\(x\)がとても小さい時の近似式が作れたり、積分が簡単になったりといったメリットがあります。

それでは早速内容に入っていきましょう。

 

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テイラー展開の係数の求め方

ここからは\(f(x)\)を無限回微分可能な関数と仮定してお話ししていきます。


係数の中で一番わかりやすいのは\(C_0\)で、これは\(f(x)\)に\(x=0\)を代入した値になっています。

そして\(C_1\)はというと、\(f(x)\)の一次導関数に\(x=0\)を代入したものになります。
ここからがちょっと間違えやすいんですけど、\(C_2\)はもともと\(x^2\)の項の係数だったので一回目の微分で\(2\)が係数にかかった値が二次導関数の\(x=0\)の値となります。

そのため、\(C_2\)を求めるためには\(2\)で割る必要があります。

\(C_3\)の場合は\(3\)もかかるので\(6\)で割ってあげます。

これを階乗を使ってまとめるとこの式のようになります。

また、テイラー展開はこのように一般化することができます。

この式では各項が\(x-a\)の何乗という形になっていて\(x=a\)を入れることで各係数が求まる構造になっています。

この式は\(x=a\)の周りでのテイラー展開と呼びます。

上の式のように\(a=0\)の場合はマクローリン展開という呼び方もします。

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テイラー展開の例

例えばという事で\(\sin x\)、\(\cos x\)、\(\exp x\)をテイラー展開した式を示します。

お時間がある方は実際に微分して確かめて頂ければ、理解が深まると思いますのでぜひやってみてください。

注意点:テイラー展開の等号は成り立たないことがある

そして、最後にテイラー展開には注意すべきことがあるのでそれをお話ししたいと思います。

とても便利に見えるテイラー展開ですが、実はこの等式は常に成り立つわけではありません。

高次の項になるほどその絶対値が大きくなっていく場合、右辺は発散します。

仮に係数が大きい場合はそれだけ\(x\)が小さくならないと関数は収束しません。

つまり、\(x\)の値によってテイラー展開の式が成り立つかどうかが決まるという事です。

等式が成り立つ\(x\)の範囲を求めるためには収束半径というものを計算します。

これは次のような式で定義されます。

簡単に言葉で説明すると隣り合う二つの項の係数の比が\(x\)より小さかったら収束していくよねという事です。

\(x\)の絶対値が\(R\)より小さい場合は等式が成立し、大きい場合は右辺が収束しないので等式は成り立たないことになります。

\(x\)の絶対値が\(R\)の場合は必ず収束するとは限らず、その関数ごとに実際に代入してみて確かめる必要があります。

その例として\(\frac{1}{1+x}\)を考えてみましょう。

この関数をテイラー展開すると↓のようになります。

すべての係数が\(1\)なので、収束半径は\(1\)になります。

\(x=-1\)の時は値を持たないので、\(x=1\)の時について見てみましょう。

そうするとテイラー展開は\(1-1+1-1+1\)という風になり、どこまで項をとっても正解の\(1/2\)にはならないことがわかります。

よって、このテイラー展開の等式が成り立つ\(x\)の領域は\(-1<x<1\)という事になります。

この例では収束しませんでしたが、\(x=\pm R\)で収束する関数もあるので、その都度実際に代入してみてください。

練習問題

それではここまでの話から練習問題をやってみたいと思います。

ここでは複素数のテイラー展開をしてみようを思います。

オイラーの公式と呼ばれるサイエンスでも超重要な式\(\exp{(iax)}=\cos{(ax)}+i\sin{(ax)}\)があるのですが、これを証明するという問題です。

右辺に\(\sin\)や\(\cos\)があるので、まずは収束半径を求めて、等式が成り立つのだろうかというところから考えてください。

答え
複素数の微分は↓のように行います。

最終的にはこのような式の形まで持っていければOKです。

\(\exp x\)の微分は上に書いてある通りなのであとは各項に微分した回数分だけ虚数単位\(\rm{i}\)\(\)をかければよいことになります。

\(\sin x\)と\(\cos x\)の収束半径は無限大になりますので、それも忘れず確かめましょう。

まとめ

今回はサイエンスでも重要となるテイラー展開についてお話ししました。

基本的に化学で扱う関数の場合は、収束半径が\(\infty\)であることが多いので、なかなか収束半径を計算することはしませんが、常にテイラー展開ができるわけではないという事だけは、頭に入れておいてほしいと思います。

といったところで今回は終わります。

どうもありがとうございました!

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