【大学の数学】行列の種類、簡約化とランクについて、わかりやすく解説!

この記事は約6分で読めます。

こんにちはー!

今日は数学の話をしていきます。

今回のテーマはこちら!

行列とは何かという導入と、基本的な操作である簡約化をマスターしよう!

ご存じの方も多いかと思いますが行列は以前は高校で習う内容だったこともあり、化学以外にもいろんな場面で役に立ちます。

僕がこれから書く内容は特に数学を専門にしない人でも使うような基本的な内容を扱いますので、行列について何も知らなくても理解いただける内容になっていると思います。

他にも行列に関する記事を書いていきますので、ぜひチェックしてみてください!

動画はこちら↓

動画で使ったシートはこちら(matrix rank)

では早速行きましょう!

スポンサーリンク

行列とは

まず、行列とは?というところから入っていきます。

行列とはこちらのようなものです。

\(a\)というのがこの行列の成分で\(1\)と\(0\)とか何らかの値が入ります。

そして、各成分を横に見ていったものを行縦に見ていったものを列と呼びます。

行列の呼び方は行の数を\(n\)、列の数を\(m\)として\(n\times m\)行列と呼びます。

例えばこの行列だと\(3\times 4\)行列といいます。

そして、例えば縦のベクトル\(\boldsymbol{a}_i\)をこの行列の左から\(i\)番目の列ベクトルとして定義すると、この行列は\((\boldsymbol{a}_1, \boldsymbol{a}_2, \boldsymbol{a}_3, \boldsymbol{a}_4)\)という形で表せることになります。

つまり、\(n\times m\)行列と言うのは\(m\)個の\(n\)次列ベクトル群もしくは\(n\)個の\(m\)次行ベクトル群として考えることもできます。

スポンサーリンク

特別な名前が付いている行列

そして、行列の中にはその形によって特別な名前が与えられているものがあるのでいくつか紹介します。

まず、すべての成分が\(0\)となる行列のことを零行列と呼びます。

これはスカラーだと\(0\)、ベクトルだと零ベクトルにあたるもので、適当な行列と零行列をかけると零行列になります。

行列の演算については、こちらの記事をご覧ください。

【大学の数学】行列の加法、乗法のしかたと連立方程式への利用方法について、わかりやすく解説!
スカラーやベクトルと同様に、行列についても演算を考えることができます。この記事では、行列の足し算と掛け算はどのように計算されるのかを解説しています。後半では、連立方程式の係数を各成分とした行列の簡約化を利用して、連立方程式を解く方法について説明しています。

それで、こっちの行列は\(n\times n\)行列、つまり行の数と列の数が同じ行列になっています。

この行列は正方行列と呼びます。

そして、正方行列の中でも対角線上の成分以外はすべて\(0\)になる場合、これを対角行列と言います。

最後は三角行列というもので、これは正方行列のうち対角線より下側もしくは上側の成分がすべて\(0\)になる行列です。

下側が\(0\)になるものは上三角行列、上側が\(0\)になるものは下三角行列と言います。

対角行列は上三角行列であり、なおかつ下三角行列でもあります。

スポンサーリンク

行列の簡約化

それでは今回の動画で最も重要な簡約化という操作を説明します。

簡約化とは、行列の各行同士をスカラー倍して足したり引いたりすることで、最終的に下の形に変形させるという操作になります。

この行列では、まず各行を左から見ていったときに\(0\)ではない成分は\(1\)になるようにします。

そしてこの\(1\)と同じ列の成分は\(0\)になるようにします。

そして、この最初の\(1\)が左にある行ほど上側にもっていくことで、\(1\)をつないだときに階段状になるようにします。

そして簡約化する前の行列によっては、一番下の行の成分がすべて\(0\)になることもあります。

実際にやってみたほうが一発でわかるので、試しに簡約化をしてみましょう。

まず、2行目の成分は\(0\)、\(2\)、\(-2\)になっていて、左端を\(1\)にしたいので\(2\)で割って\(0\)、\(1\)、\(-1\)にしておきます。

そして、1列目は\((1,1)\)成分の\(1\)以外を\(0\)にしないといけないので、この\(3\)を消すために3行目から\(3\)倍にした1行目を引きます。

これはまだ簡約化できたとは言えないので、さらにその行列をいじります。

では今度は、2列目を\((2,2)\)成分の\(1\)以外が\(0\)になるように、1行目から2行目の3倍を引いて、3行目に\(7\)倍の2行目を足します。

そうしてできた行列に最後、\((3,3)\)成分を\(1\)にして\((1,3)\)成分と\((2,3)\)成分が\(0\)になるようにすると、最終的に一番下の行列が得られました。

これは簡約化の話とは別ですが、このように成分がすべて\(1\)になる対角行列は、単位行列と呼んで、スカラーでいうと\(1\)のようなものになります。

何らかの行列に単位行列をかけても、かける前の行列と同じ行列になります。

スポンサーリンク

行列のランク

最後、簡約化のついでにランク(階級)という言葉も紹介しておきます。

ランクとは、その行列を簡約化したときに、すべて\(0\)にならなかった行の数です。

さっき簡約化したこの行列なら、最終的に単位行列になって、\((0, 0, 0)\)という行ベクトルはなかったので、そのまま次数の\(3\)というのがランクになります。

それで例えばこんな行列の場合は3行あるうちの一番下だけがすべて\(0\)になっていますので、ランクは1つ減って\(2\)という事になります。

練習問題

はい、以上が今回の内容でした。

では今回のまとめとしていつもの練習問題に入ります。

この簡約化は考えるというより慣れですので、実際に手を動かしてみてください。

この行列のランクを求めてくださいというのが今回の問題です。

答え
ランクを調べるためには簡約化をします。

それで最終的に得られた行列は下記のとおりで、そのランクは\(2\)になるので、元の行列のランクも\(2\)ということになります。

このように、適当に行列を作って簡約化していけば手が慣れてくるので、ぜひやってみてください。

まとめ

今回は行列と言うものについてその紹介と簡約化、ランクについて説明しました。

零行列、正方行列、対角行列、三角行列、単位行列といっぱい名前が出てきたので、どういうものか答えられるようにしておきましょう。

簡約化は\(1\)が階段状に並ぶような形にする操作で、\(0\)ではない成分をもつ行ベクトルの数がその行列のランクということになります。

簡約化やランクが具体的に何をやっているのかというは、こちらの記事でお話ししています。

【大学の数学】4次以上の大きな行列式の解き方(次数下げ、余因子展開)について、わかりやすく解説!
次数の大きな行列式は途端に解くのが面倒になります。この記事ではそんな行列式を解くためのテクニックを分かりやすくまとめました!

今回は以上です。

どうもありがとうございました!

タイトルとURLをコピーしました